こんにちは、これいい和のいきものがかりです。
今回のテーマは能登上布(のとじょうふ)。

石川県羽咋市で生産されている、高級麻織物です。「能登上布を次の世代に残したい」という想いで技術を守り続けています。まさに1月の能登半島地震で工房や職人さん達も被害を受けながら、前を向いて生産を続けていらっしゃいます。
実は私、いきものがかりの父の実家が能登。こちらの能登上布の工房さんの場所も、おそらく周辺の道路を通ったことがある場所なのです。特別な想いを持ってご紹介させていただきます。

もくじ
1 能登上布って、どんな織物?
2 こまかい絣模様
3.贈り物にも

1 能登上布って、どんな織物?

うすくて軽くて丈夫な、麻の織物。その透け感と光沢感で「蝉の羽」とも言われるような、夏の高級織物です。
もともとは夏用の、特に男性用の薄物の着物の反物がたくさん作られていました。それが戦後のライフスタイルの変化によって織元も激減。「能登上布を残したい」と各地から若い方が集まるなどして、現在まで技術が継承されてきたそうです。
ちなみに、上布(じょうふ)とは上等な麻織物のこと。
約2000年前に崇神天皇の皇女が中能登地方で機織りを教えたことが能登上布の起源だと伝えられています。明治時代には皇室の献上品に選ばれるまでになり、昭和の初めには麻織物の生産量で日本一になっていました。
また能登上布の原料の麻はリネンではなくラミー(苧麻)を使っています。リネンは主にヨーロッパで使われてきた繊維で、ふんわり柔らかい素材になるのに対し、ラミーはアジアなど熱帯を中心に栽培されてきた素材。リネンと比べても繊維が太くて丈夫でやや硬め、光沢感があるのが特徴です。麻なので軽くて通気性が良く、さらりとした肌ざわりになります。

2 こまかい絣模様

能登上布の特徴のひとつが、細かい絣模様。
絣柄の多くは十字絣を始めとする複雑な経緯絣で、たて絣糸とよこ絣糸をクロスさせて生まれます。様々な工程により、染めにじみが少なく仕上がります。細かい絣模様になるほど高価なものになり、最も細かい、たてよこ約3mmの十字絣は「蚊絣」と呼ばれます。(上の写真も、蚊絣です)
すっきりとした絣模様が能登上布の最大の特徴で、伝統の柄でありながら、とてもモダンでオシャレな雰囲気があります。

3.贈り物にも

もともと高級な麻織物。それを手元で楽しめるアイテムは特別感もあり、ギフトにもおすすめです。

能登上布 扇子

細かい蚊絣を手元で楽しめる扇子。透け感が美しく、男性も女性も使える扇子です。
能登上布 扇子 16,500円

能登上布 名刺ケース

生地の端切れから生まれた名刺入れ。すっきりとした絣柄や落ち着いた色合いがモダンな印象です。
能登上布 名刺ケース 帯地絣 9,350円

シンプルで素材の良さを引き立てたデザイン。上質な素材感を活かしたプリーツ加工が美しい名刺入れです。男女関係なく持ちやすいアイテムでプレゼントにも喜ばれています。
能登上布 名刺入れ 折縞 着尺地 灰色 6,820円

能登上布 トートバッグ

A4サイズもおさまる収納力と、元は着物の帯に使われていた能登上布の「丈夫さ」が活かされています。ふだん使いにはもちろん、和装にも合うデザインです。
能登上布 トートバッグ マチ無 13,750円

今は地震の影響で工房での体験織は中止になっているとのこと。まだまだ能登全体での復興には時間がかかると思いますが、いつの日か能登を訪れて、工房に足を運びたいと思います!