「鋳物(いもの)」という言葉をご存知ですか?
今回は、おしゃれでかわいい、東北山形の工芸品「山形鋳物」についてご紹介をします!

鋳物とは?

まず山形鋳物を語る前に、お伝えしたいのが「鋳物」とは何か?ということです。
鋳物とは溶かした金属を型の中に流し込んで、固めることで作られる製品のことです。

鉄や銅などの金属を熱して溶かす。
それを特定の形に作った型の中に流し込んで冷やし固めることで成形されます。

代表的なものとして、鍋やフライパン、茶釜などが作られます。

山形鋳物について

鋳物の中でも、山形県山形市とその周辺に伝わる山形鋳物。
歴史ある「山形鋳物」のはじまりは平安時代後期。
源頼義軍の連れていた鋳物師が、山形市内に流れる川の砂と周辺の土質が鋳物作りに最適なことを発見します。
その鋳物師はその地に数名留まり、鋳物づくりがはじまったとされています。
鋳物で作られたものは日用品や仏像など。作られる一方で、灯篭など大きいものも作られます。そして、江戸時代には茶の湯が全国的に流行したことで、鉄瓶や茶の湯釜などの美術工芸品も作られるようになります。

茶道具は贈り物や交流の手段としても重要な役割を果たしており、茶釜もその一部として重要視されました。山形地方の茶釜は、その美しいデザインや高い品質から、茶の湯の世界でも高い評価を受けました。
また、江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」としてそれぞれ「羽黒山」「月山」「湯殿山」などを巡る「出羽三山参り」が人気に。
お参りが盛んになるにつれ、参拝者のお土産としても人気になりました。

そして現在は、機械産業を担う西部工業団地「鋳物町」、工芸などの産業を担う「銅町」に大きく別れ、幅広い分野で生産が行われています。
昭和49年には伝統的工芸品として国の指定をされています。

製造工程について

60~70もある山形鋳物の製造工程。
実は山形鋳物はこれだけたくさんの工程を、分業ではなく一つの家々で最後まで行っているというのが驚きです。
ちなみに生産だけではなく、物を販売することも多いそうで、商品に対して一貫しているのが特徴とも言えますね。

急須について

同じく鋳物で有名な南部鉄器と比べても、山形鋳物は、薄手の鋳肌、そして寸法や形状の正確なつくりが魅力です。また、鉄の鋳物は冷めにくく保温力が高く、頑丈なことから耐久性がばつぐんです。

まだまだ気温が安定せず、朝晩が寒い日があったりと体調を崩しやすい時期。
あたたかい飲み物はできるだけあたたかいままで、飲みたいですよね。
急須でゆっくりと体をあたためて、素敵な時間をお過ごしください!