こんにちは、これいい和の店長です!

みなさんは「間伐」ということばを聞いたことがありますか?
日本は世界有数の森林大国。限りがある森林を保護し、育てていく上で、間伐によって森林を管理していくことは、昨今のSDGsの観点からもより注目されています!
今回は高知県長岡郡本山町にある「ばうむ合同会社」の代表社員、藤川豊文さんを訪ね、間伐や間伐材を使った物づくり、ばうむさんが目指していることについてお伺いした内容をご紹介します!

1|間伐とは?
2|ばうむ合同会社さんの取り組み
3|商品になるまで
4|最後に

1|間伐とは?

先ほどから出ているキーワード「間伐」とはなんでしょう?

「間伐」・・・木の間引きのこと
「間伐材」・・・間伐によって間引かれた木のこと

森の中にある土には、スポンジのように降った雨を吸収して水を貯え、地下水となりゆっくり流れ出るというダムのような働きがあります。
土の中に張り巡らされた木の根っ子が、土をしっかりつかんでいるので、土砂崩れを抑えたり、洪水被害を防止してくれるわけです。
ただ、木は成長するにつれて、互いの枝葉が重なり、光が十分に行き届かなくなります。
その結果、やせた木は土壌をしっかり押さえられなくなり、水を蓄えることができなくなった土は、土砂崩れなどの災害に及ぶ可能性も高くなります。

そこで間伐の役割が必要になるということですね!

成長の阻害となる木を取り除く=森に光が届くことで、残された木の成長を促進、これによって森林全体の健全性を維持し、より強くて持続可能な生態系を作り出します。
他にも、木には地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減少させる役割があったりと、いかに管理をすることが大事か伝わってきますね!
そして、その作業によって生まれるのが「間伐材」です。

2|ばうむ合同会社さんの取り組み

間伐によって生まれた間伐材を加工し、物づくりをしている高知県長岡郡本山町にあるばうむ合同会社さん。
「変化に期待するのではなく、己の力で未来を拓く」を行動の原点とし、30年後に自然と共存できる持続可能な田舎を目指し、木材加工事業と焼酎事業を行っています。

実は高知県は土地の森林比率が約84%と、日本一森林が多い都道府県です!
その中でも「人工林」の割合は約6割を占めると言われています。
この地域の木材は昔から質がよいと言われており、400年前にはなんとあの大阪城の木材としても使われていたとか。
「人工林」は人の手入れを必要としているので、そんな嶺北の森林を間伐から物づくりまでされているのがばうむさんです。

↑ 藤川さんからは高知県長岡郡の土地の歴史から、間伐の可能性を語って下さいました。

実は間伐された木材は運搬や搬出のコストがかかることから、森林内に放置されており、日本国内では年間約2千万㎥に値する未利用材が発生されていると推計されています。
(農林水産省参照 https://www.rinya.maff.go.jp/j/sanson/kassei/pdf/shishin_s2-1.pdf)

ちなみに、木くずを燃料として使うと二酸化炭素などの問題が増えると思うかもしれませんが、木材からでる炭素は空気中から吸収したもののみため、結果的に+−0の計算になるらしいです!
ここまでのものを形にするにはいろいろ課題があるそうなのですが、とても面白い取り組みですよね!

森林面積1ha辺りの木材年間成長量(本山町の森林)から4人家族1世帯分の年間電力をまかなうことが可能とのこと。
ちなみに1haとはサッカーコートでいうと2面、東京ドームで例えると1個分。
仮に高知県で停電が起きても、本山町では、その土地の電力6,000人分を自家発電できるそうです。

また、ばうむさんは次の世代に森林のことを触れてもらう教育や、地域間の連携も取り組まれています。
「6歳になったら机を作ろう!木こり&机づくり体験」というイベントを企画し、親子で学習机を組み立てるイベントを開催しています。
驚きなのが、組み立てに使う間伐材も自分たちで木を切るところからはじまるんです!

実際に加工された木材を使うのではなく、森に入り土を踏み、木を伐るところから体験することで、物ごとの背景やどう自然のものが還元されているかをまさしく五感で知ることができるのはすごく貴重な経験ですよね!

特に、藤川さんはこの高知県から日本全体の森林について色んな産地が手を組んでいくことを考えています。このサービスを確立させれば、それが同じく間伐をする他の産地でも横展開できるように仕組みを考えているというから驚きです!
このような産地の方が手を取り合うことで日本がより未来に向かっていく姿がイメージできました。

3|商品になるまで

1)間伐 木を切る
まずは森に入って間伐をする作業から。ちなみに間伐をする時期は限られており、主に4月、9月に山に入り行うそうです。

2)集成材を作る
山から伐った木はまず乾燥させ、細長い角材にカットされます。
これを1つ1つチェックしながら並べてくっつけることで1枚の板になります。
よーく見てみるとそれぞれ模様が違ったり、色がちがうのがわかります。

↑ これを商品の加工に使うためにさらに薄く加工していきます。

3)レーザー加工機で加工をする
デザインのデータを元にし、レーザー加工機で模様や成形をします。1名で5台のレーザー機器を管理し、機械が問題なく動いているかをチェックします。

4)手作業で仕上げる
1点1点傷や汚れがないかをチェックしていきます。レーザーでは焼き抜くことができなかった細かい部分を1点1点カッターで切り取っていきます。この作業、もちろん手作業です!最後に表面をやすりで磨きあげて完成。商品としての品質管理も徹底されています。

5)完成!

これいい和でも人気のコースター。
プチギフトでおすすめの商品です!

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高知杉 もくレースコースター
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4|最後に

ばうむさんの間伐材を使った小物雑貨については、品質の良さと木の持つあたたかさから男女問わずこれいい和でもとても人気の商品です!
今回は、物づくりに対する品質の高さ、そして問題を解決してより産地や日本を盛り上げていこうというその産地の方々の思いを改めて知る機会になりました。
ぜひみなさんもばうむさんのお取り組みを応援していただければと思います!