海外の方に「日本の魅力は何ですか?」と質問した時、
「四季があること!」という回答をTVや雑誌などで一度は目にしたことはないでしょうか?
毎年何気なく訪れる四季。ただ、日本のように春夏秋冬がほぼ均等に訪れ、はっきりと違いがあるのは世界でも稀だそうです。
また、日本には季節ごとに食や行事など、四季をより楽しむ文化があります。

今回は、その中でも季節の節目となる「節句」をご紹介します。

目次(もくじ)

1|節句とは?

2|五節句

 2-1|1月7日 人日(じんじつ)の節句

 2-2|3月3日 上巳(じょうし)の節句

 2-3|5月5日 端午(たんご)の節句

 2-4|7月7日 七夕(しちせき)の節句

 2-5|9月9日 重陽(ちょうよう)の節句

3|その他の節句

 3-1|8月1日 田の実の節句

1|節供とは?

節句とは、「季節の節目となる日」のことを言います。
無病息災・子孫繫栄・豊作を祈って、お供えをしたり、邪気を祓う行事を行っていました。

1-2|節供との違い

節供とは、神様への食べ物のお供えの事を指します。

その時期における初物や見合った供物をお供えし、その後人々がその供物を共にいただきます。節供の準備をして節供料理(お節)をいただくことで、日常の雑事から離れて、自然の恵みや、日々当たり前に過ごせることへの感謝を感じる機会をいただいています。

2|五節句

2-1|1月7日 人日の節句

七草の節句としてもなじみのある、人日の節句。
元々は、中国の行事で1月1日~1月7日の各日に動物占いをするような風習がありました。それぞれの日の占いの対象となる動物は大切に扱われていました。
最終日は人を占う日にあて、人を大切にすることから「人日の節句」言われるようになりました。

七草粥

中国でも、この日に七種類の若菜を入れた温かいお吸い物を食べ、一年間の無病息災を願う風習がありました。それが日本にもともとあった、七種類の食材で作ったお粥を食べて健康を願う風習と混ざって今の形が根付いたと言われています。

七草

芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、 蘿蔔(すずしろ)

2-2|3月3日 上巳の節句

中国では、水辺で身体を清め、宴会などを行い、災厄を祓うという風習がありました。

それを日本では、「人形(ひとがた)」人の形を草木や紙で作ったものを、身体になでて自分の厄を移し、水に流して祓いとして行っていました。この人形がのちの「ひな人形」の始まりと言われています。

桃の節供ともいい、「桃」というのは、生命力のあふれるものとされています。

古事記の話の中にも桃で鬼を倒すエピソードがあるように、桃には生命力あふれ、邪気を払うパワーがあると言われています。

現代では「女の子の健やかな成長を願う日」とされ、雛人形を飾り、菱餅や桃の花も添えて、ちらし寿司や蛤のお吸い物、白酒などをいただきます。

2-3|5月5日 端午の節句

この時期は菖蒲(しょうぶ)が咲き誇ることから、「菖蒲の節句」とも呼ばれていました。
菖蒲には昔から、健康を保ち、邪気を祓う力があると信じられていました。
菖蒲の節句には、ハーブのような香りのする菖蒲で、菖蒲湯に入浴し、菖蒲酒を飲み、菖蒲枕で眠るなどの風習もあったと言われています。

5月は春から夏への季節の変わり目で、疲れも出やすい頃です。
こういったもので、リラックスして体を休めるものいいかもしれませんね。

江戸時代の頃には、「菖蒲(しょうぶ)」の音が、「尚武(しょうぶ)」と同じことから、「尚武」の節句として、生まれた男の子の成長の無事と、家族の繁栄を願う大切な行事となったと言われています。

現代では、男の子を祝う日とされ、こいのぼりや甲冑・兜などを飾る風習が根付いています。

2-4|7月7日 七夕の節句

笹竹の節句とも言われ、短冊に願い事を書いて笹竹に飾る行事になっています。
元々は、天棚機姫神(あめのたなばたひめ)という機織りが上手な神様をお祈りする日とされ、女性が針仕事などの上達を願う行事などが行われていました。
それが時代とともに習い事全般へと変化していき、現代では習い事以外でも短冊に願いを込められるようになりました。

短冊の色の意味
七夕に願い事を書く短冊の色には、昔からの五色【青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)】が使われていました。

これは、中国の陰陽五行という自然界のすべてのものを火、水、木、金、土の5つに当てはめる考え方に由来していると言われています。 色それぞれに意味があり、願い事にあった短冊の色に書くことで、願いがより叶いやすいとも言われています。

青(緑):自分を高める
人として、さらに成長させたい方へ

赤:感謝の心
家族や親しい人のための願いごと

黄:誠実
人を信じる、大切にするといった願いごと

白:ルールを守る
自分で決めたことを守るなど

黒(紫):学業
勉強に励むこと、学業向上など

2-5|9月9日 重陽の節句

「重九(ちょうく)」とも呼ばれ、九という陽の数字(奇数)がふたつ重なることから、めでたい日とされました。

また、菊の節句とも知られており、昔からこの日には、菊酒を飲んだり、髪にカワハジカミの実のついた枝をさしたりと、長寿や邪気を祓い災厄を除くことを願う風習がありました。

行事食には、菊酒以外にも栗ご飯もよく知られていますが、他にも茄子を食べると発熱や頭痛などにならないと言われています。

3|その他の節句

・8月1日 田の実の節句

旧暦8月1日の八朔に豊作を願って、五穀豊穣のお祈りをしていた日とされています。
田の実が「頼み」へと転じて、日頃、頼みを聞いて下さる方へ贈り物をする風習になりました。
田の実の節句の贈答の風習が、現代日本のお中元などに影響したとも言われています。


いかがだったでしょうか?

日本には、五節句にも季節を感じる節目が様々あります。

仕事や家事など、日々忙しく気が付けばもう夕暮れ、、。そんなことあったりしますよね。
節目を意識することで、日々を振り返ったり、想いを馳せたりと生活にゆとりができます。

まずは、節句を通して日本文化に触れてみてはいかがでしょうか。