金沢市 ひがし茶屋街 © Yasuyuki_Kawano クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

こんにちは、これいい和の店長です。
皆さんは、地理は得意ですか?私は小学生の時は特に苦手でした、、(笑)
小学校の地理のテストでよく、地域の特性についての問題がでてきます。
今回の表題にも関係しますが、例えば、
「北陸地方で地場産業が盛んな理由を「冬」という言葉を使って、簡単に説明しなさい。」
という問題、皆さんは答えられますか?当時の私はきっと頭をかかえていたことでしょう(笑)
ただ、その地域の特性や時代背景を知ると自ずと答えが分かってきます。
そして、それらに関係が深いのがものづくりです。
今回はそんな北陸のものづくりについてのご紹介です。

ものづくりが盛んな北陸

金箔の国内生産日本一の石川県、金属の洋食器の生産日本一の新潟県、銅像や器などの銅器などの生産日本一の富山県、メガネフレームの生産日本一の福井県。
このように北陸はものづくりがとても盛んな地域です。
ではどうしてそんなに盛んなのでしょうか?

農閑期によるものづくりの発展

冬になると北陸では、日本海から水蒸気をたっぷりと含んだ季節風が吹きつけます。
それが、日本列島の山脈にぶつかり雪を降らせます。それにより北陸は雪が多い地域になるのです。
昔から冬の時期には、雪によって田畑が雪に覆われ、農作物を育てることができず農閑期ができてしまいました。
そこで、当時農作以外にできる仕事が考えられてきました。
それが金物や漆などのものづくりでした。農閑期に家でできる副業としてそれらが広まってきました。中には室町時代から作られてきたものもあると言われています。
そんな盛んになったものを2つご紹介します。

金箔製造に適した地域

金箔の製造の中でも有名なのが金沢です。
金沢は平均湿度が70%と雨が多く湿度が高い地域で、「弁当を忘れても傘を忘れるな」という言葉があるほどです。金箔作りは湿度が高い方が都合がいいとされています。
ではどうして湿度が高い方が適しているのでしょうか?

気候が重要な金箔づくり

まず金箔は、金を和紙にはさんで重ね、その上から叩いて薄く延ばして作られます。
叩く回数はなんと約5万回!それによって1万分の1㎜(金2gで畳一枚分)の薄さになり、皆さんが知っている繊細で煌びやかな金箔になります。
金箔作りで一番注意しなくてはいけないのが、「静電気」です。
静電気によって金箔同士がすぐにくっついてしまい、うまく作ることができません。
しかし、湿気の多い金沢は静電気が起きにくく、金箔作りにうってつけの場所になっています。

全国に広がる鯖江のメガネ

北陸で有名なものづくりをもう1つご紹介するなら、「鯖江のメガネ」です。
鯖江市は眼鏡フレームの生産量が日本一になっており、世界三大眼鏡産地の1つともされています。
鯖江市のメガネ作りの始まりは1905年に増永五右衛門という人が、鯖江の発展のために作ろうと思い立ったのが始まりと言われています。
そして、農閑期にメガネ作りが盛んになり、全国から職人が集まったことから1935年には全国一のメガネ生産量を誇るようになりました。

世界に誇る鯖江の技術

鯖江のメガネは生産量だけでなく、技術力にも長けており、世界初のチタン製フレームを製作しています。
また、有名な映画「マトリックス」で使用されているサングラスは鯖江市で作成されたもので、当時はサングラスのデザインはあったものの、それを形にできる技術が日本だけでした。
この様に鯖江のメガネは日本の誇るものづくりの1つとなっています。

最後に

いかがだったでしょうか。
日本の工芸品やものづくりには、その土地の環境に深く関係していることが分かって頂けたかと思います。
日本の工芸品は、そこに住んでいた人たちの知恵と工夫が形になったものです。
こういった背景やストーリーを知ることで、見え方が大きく変わりますよね。
見え方が変わることで、より生活も豊かになっていくと思います。
ぜひ、皆さまも工芸品に触れてください。