2024.02.01 よみもの
美しい藍色の織物、松阪木綿。その歴史とは
こんにちは、これいい和のいきものがかりです。
今回のテーマは松阪木綿(まつさかもめん)。
あの松阪牛で有名な三重県松阪市のあたりで生産される木綿生地です。藍染めの糸を折り合わせてできる縞が美しく人気を博してきました。その松阪木綿、実は古い歴史がある日本になくてはならないような織物なのです。
1.松阪木綿って、どんな織物?
松阪木綿は、藍で先に染めた糸で織り上げる、縞柄が特徴の織物。藍の染め方で微妙な濃淡を生み出します。その縦糸と横糸の組み合わせで、細かい縞柄やチェック柄、まるで浮世絵のようなグラデーションの表現など、「藍色」を中心にさまざまな柄があるのです。
また藍色は日本人の肌にもよく合うことと、木綿の手軽さから、長く愛されてきました。
特に江戸時代、倹約令によって華美な着物を禁止されていた江戸っ子たちは、「遠くから見ると無地だが近くでみると細かい縞模様が粋だ」ということで、大人気になりました。それは歌川広重の錦絵「東都大伝馬街繁栄之図」で伊勢の国の木綿問屋が集まっている様子が描かれるほどです。
出典:錦絵でたのしむ江戸の名所
藍染ののれんが立ち並んで、なんだかかっこいいですよね。
2.伊勢神宮に納められてきた歴史
実はこの松阪木綿、古い歴史があるのです。なんと5世紀ごろ、大陸から機織りの技術を持った技術集団が松阪市の東部あたりに渡ってきて、技術を伝えたのが始まりとされています。
そしてこの地は、京都や伊勢神宮に近い位置。その高い技術を評価され、7世紀末に、伊勢神宮への織物の献納を義務付けられたのです。その習わしが、松阪市東部の機殿(はたどの)地域で続いているそう。
神御衣祭(かんみそさい)という、年に2回行われる神事で、和妙(にぎたえ)という絹の布を神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)に、荒妙(あらたえ)という麻布を神麻績機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)に納めています。どちらも伊勢神宮に管理される大切な神社で、古式の作法にのっとって、機織り機で織り、納めているのです。織物が、日本で昔から大切にされてきたことが伝わってきますね。
またそのような習わしがあるからこそ、織物の神様として信仰を集めてきた地でもあるのです。
3.贈り物にもぴったり
日本の織物ネクタイ 松阪もめん
日本の歴史とも深いつながりのある松阪木綿。 これいい和では、同じ藍染である武州正藍染を大剣に、松阪木綿を小剣にした日本の織物ネクタイを作っています。同じ藍色なのでなじみも良く、おしゃれなネクタイとして身に着けていただけます。松阪木綿の歴史を知ると、特別な1本として、プレゼントしたくなりますね。
日本の織物ネクタイ 松阪もめん 8,800円
松阪もめん 御朱印帳
松阪木綿を表紙にあしらった御朱印帳。松阪木綿自体が伊勢神宮とゆかりがありますから、ぜひ伊勢神宮にもお参りに行きたくなるような御朱印帳です。
松阪もめん 御朱印帳 2,200円
知れば知るほど、奥が深い松阪木綿。ぜひ手元で楽しんでみてください。