「手」を「拭う」と書いて「手ぬぐい」。突然ですが、「手ぬぐい」と聞くと何を思い浮かべますか?

私の手ぬぐいのイメージは、何を隠そう「祖父」です。

祖父は農業をやっていたので、畑に一日中いることが多かったですが、あつ~い夏の日は、日差し除けとして頭に巻いて暑さを防いだり、汗をふいたりするのに使っていた、そんなイメージがあります。

手ぬぐいのはじまり

手ぬぐいの起源は古代にさかのぼります。

日本では奈良時代(8世紀頃)には既に存在していたとされています。その当時は、貴族や僧侶が身の回りの清潔を保つためや、神具としてまとう装束として使われていました。当時、綿は貴重なものとされていたのて、一部の身分の高い人しか使用することはできなかったようです。神仏の像や飾りをきれいに掃除をする時の道具としても使われていました。

また、中国から日本に伝わったとされる説もあります。中国では古くから「帛布(はくふ)」と呼ばれる布が使われており、これが手ぬぐいの原型となったとも考えられています。

手ぬぐいの発展 -江戸時代-

手ぬぐいは江戸時代(17世紀から19世紀)になると、手ぬぐいは民衆に一気に広まる事となります。

その理由は、綿花の栽培が盛んになったこともあり、日本国内で綿の織物が普及し、それに伴い手ぬぐいが一般化したことが一つ。

また、当時の銭湯文化の流行や、贅沢禁止令によって木綿素材が庶民に使用されることが多くなったことなども挙げられます。

また、染色技術の発展により、様々な柄や模様が施されるようになりました。特に、有名な浮世絵師たちが手ぬぐいのデザインを手がけ、人気を博しました。

手ぬぐいの発展 -明治時代-

今では有名な技法「注染」が、この時代に生まれ、手ぬぐいの生産が盛んになります。

注染とは、切り抜いた型紙を生地に当てて、特殊な糊で防染し、数十枚重ねた上から染料を注いで染めていくという手法です。

文化的な役割

手ぬぐいは日本の文化や伝統において重要な役割を果たしてきました。伝統的な祭りや儀式、茶道などの日本の文化では、手ぬぐいがさまざまな場面で使われています。

ねじりハチマキ、頭に巻く、などはっぴ姿と共によく目にする光景ですよね。もとは戦や神事などで頭に巻いたり、婚礼や葬礼の際にもハチマキを締める風習のある地域もあったようです。

このように、手ぬぐいは日本人の日常に溶け込んでいると言っても過言ではありません。

今回は、手ぬぐいの歴史についてご紹介してきましたが、家に持っているという方はぜひ、日常でも色々な使い方があるので、現代でも色々な使い方を試してみてはいかがでしょうか。

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